環境を駆け抜ける決闘者の雑記 ~天威型相剣編~
こんにちは、さいまじと申します。
大会が再開され、新弾も発売されて遊戯王に活気が戻ってきたように感じます。新しく出たテーマ2種が環境入り、テーマ新規も中々に強く、非常に見所がある新弾でした。
その中でも特に注目されていた新テーマ、【相剣】について語っていきたいと思います。注目ポイントや、フリー・大会等で使ってみた感じを話せればと思います。
早速解説などなど、いってみましょう。
まずはじめに――相剣ってどんなテーマ?
そもそも相剣ってなによ、という方に簡単な説明をば。
【相剣】は幻竜族で統一されたシンクロテーマです。
展開の中心となるモンスターはトークンを作る能力があり、それを用いて主にレベル8・10のシンクロを行います。一部のカードを使えばレベルを1変化させることができるので、シンクロの幅は7~11となります(11は滅多に出しませんが)。
近年ではまれに見る展開が非常に簡単なテーマですので、値段にさえ目をつぶれば初心者にもオススメできるデッキです。純構築、およびこの記事で解説する天威型が扱いやすいと思います。
実際の効果はデッキレシピと共に見ていきましょう。さくさくいきましょー。
デッキレシピ+簡易効果解説
それでは、デッキレシピを見てみましょう。実際に私が使ったものになります――まだまだ改善の余地があるものなので、参考までに。
では各種カードの効果を簡単に解説します(順不同、正式名称省略)
〇メインデッキ――モンスターカード
(相剣カード)
・莫邪(バクヤ) ☆4
召喚・特殊召喚成功時に手札の相剣、もしくは幻竜族を見せて相剣トークン(水属性・☆4・チューナー)を特殊召喚。さらにシンクロ素材になると1ドロー。
シンプルに強い相剣の核。手札コストは見せるだけなのでお手軽、ドロー効果もあるので手札が減らない優れものです。トークンがチューナーなのも面白いところ。ただし見せるコストは必要なので、あくまで2枚初動です。気をつけましょう。
・泰阿(タイア) ☆4
起動効果で墓地の相剣、もしくは幻竜族を除外して相剣トークンを生成。シンクロ素材になるとデッキから相剣カードを墓地送り。
後述のサーチカードと組み合わせると実質1枚初動になる、場合によっては莫邪より強くなる子です。
初動というより返しのターンで展開を行う子なので、手札にある場合は使える時まで温存しましょう。中盤~後半で大事になります。本当だよ。
・龍淵(リュウエン) ☆6
手札から相剣、もしくは幻竜族を捨てながら手札から特殊召喚しつつ相剣トークンを生成する効果、シンクロ素材になると1200ダメージを与える効果を持ちます。
コストが必要とはいえ一枚でシンクロ☆10を出せるのは強力で、後述の最強☆10シンクロ、フルール・ド・バロネスをこの子だけで出せます。とても強い。バーンもおまけ程度に見るには量が多く、キルラインを引き下げてくれるのは◎。
莫邪と同じくコスト付きゆえの2枚初動です。増殖するGにも弱く、使う場面には注意しましょう。
・白エクレシア ☆4(チューナー)
相剣ネームではないですが相剣関連のカード。
相手の方がモンスターが多い場合手札から特殊召喚する効果と、お互いのメインフェイズ時に相剣(もしくはアルバス)を1体特殊召喚する効果があります。
後手時に天威と共に手数を増やすカードであり、先攻の安定感を高めてくれるカードです。主に莫邪を呼んできて展開を行います。初動を安定させるためにフル投入しましょう。
(天威カード)
――天威には共通して①自分の場に効果モンスターがいない時手札から特殊召喚する効果、②自分の場にバニラ(効果モンスター以外のモンスター)がいる時墓地から除外して○○する効果、があります。効果解説では①を省き、②のみ表示します。
――また、天威は1体でリンクモンスターに繋げられ、かつそのリンク1がバニラなので簡単に②の効果を使えます。
・アシュナ ☆7 ②の効果はデッキから天威を特殊召喚する、というもの。ただし効果発動後幻竜族しか特殊召喚できな縛りがつきます。
後述のアーダラを出すと相剣の手札コストを簡単にまかないつつ盤面を伸ばせます。後で展開パターン解説するので、詳しくはそちらで。
・アーダラ ☆1(チューナー)
②の効果は除外されている幻竜族を手札に加える、というもの。
アシュナから出してアーダラをリンク素材として墓地に送れば、アーダラを出すのに使ったアシュナを即座に手札に戻せます。このギミックが相剣の手札コストととてもいい感じに噛み合っています。ゴードンで飛ばないことを祈りましょう。
・ヴィシュダ ☆7
②の効果は相手フィールドのカード1枚を対象に墓地に送る、というもの。
アーダラの次にアシュナで出すモンスター。後攻時の除去担当です。後手捲りを補助してくれるので1枚採用です。相剣の天敵となるトークンコレクターをどかしてくれるので、天威型である以上必ず入れましょう。
(その他)
・うらら&G
いわずと知れた手札誘発。汎用枠であり、妨害と抹殺で弾く用です。以上です。
〇メインデッキ――魔法罠
(相剣カード)
・龍相剣現 通常魔法
デッキから相剣モンスター1枚を手札に加える効果(自分の場にシンクロがいれば幻竜サーチも可)、また除外されると自分の場の相剣のレベルを1上下させられます。
莫邪や泰阿を持ってきて展開するために使います。最近のデッキによくある専用サーチであり、相剣ネームでもあるため莫邪や龍淵のコストにもなります。このカードの効果を通してしっかり後続に繋げたいところです。
・大霊峰相剣門 通常魔法
墓地から相剣(場にシンクロがいれば幻竜でも可)1体を蘇生する効果。また剣現と同じレベル調整効果持ち。
専用蘇生魔法ですね。蘇生範囲は限られるも返しのターンで使えたり、ネームドであるためコストに使えるのでピン採用です。純構築なら2枚あってもいいと思います。
・相剣暗転 通常罠
自分の場の幻竜族と、相手の場のカード2枚を対象にして破壊する罠。
通称幻竜ゴドバ。このデッキでは簡単にコストを調達できるので非常に強力な除去カードです。直接サーチもでき、除去能力の割にはお手軽なカードです。
(その他)
・墓穴&抹殺の指名者、無限泡影
汎用カードとそれを弾くカードです。うららGと同じ汎用枠であり、抹殺は大会であれば必須になってくるでしょう。
・強欲で貪欲な壺(ゴードン)
デッキを裏で10枚除外したのち2ドローする、強欲な壺の調整版ですね。知らない方は少ないでしょう。
このデッキは大体において2枚初動でありセットで引けないと難しいものではありますが、それでも単純な2ドロー効果は強力です。展開の要はこのレシピにおいてはしっかり3積みしているので、全部飛ぶということは少ないのでアドバンテージを考えての採用です。
環境での採用率はそこそこあり、抹殺で弾くこともあるので入れて損はないと思います。ここは自由枠と捉えても構いません。要調整といえます。
(相剣カード)
・赤霄(セキショウ) ☆8
シンクロ召喚成功時に相剣カードをサーチ、もしくは墓地の相剣・幻竜1体を除外しモンスター1体を対象にして効果を無効にする効果を持ち、いずれかターン1で発動できます。
展開パーツや暗転をサーチし次のターンに備えたり、無効効果で妨害したりと役割は広いです。相剣はこれをシンクロできるかで次の一手が大きく変わってきます。
効果がいずれかターン1であるので、サーチ効果を使った後に無効効果は発動しないよう気をつけましょう。
・承影(ショウエイ) ☆10
除外されているカードの枚数×100分自分の場のモンスターの攻守を上げ相手の場のモンスターの攻守を下げる永続効果、効果で破壊される時墓地のカード1枚を除外して耐える効果(ターン1なし)、カードが除外された場合に相手の場と墓地のカード1枚ずつを対象に取って除外する効果を持ちます。
龍淵で出せる☆10の一枚であり、アシュナの縛りがかかってても出せる大型シンクロです。さりげなく破壊耐性にターン1がない、自他問わず除外に反応する除外妨害、バフ・デバフが閃刀姫シズクの強化版になっていて、単体スペックは中々高いです。
後述のバロネスの影に隠れがちですが、強力であることには変わりません。ゴードンを撃った後に出して一気にフィニッシュを狙いましょう。
(その他エクストラ)
・ガイザー ☆7
泰阿で相剣魔法を除外して出す枠です。自分の場の竜星(この場合はガイザー自身)と相手の場のカード1枚ずつを対象に破壊、破壊されるとデッキから幻竜1体を特殊召喚する効果があります。
貼られてキツイ永続魔法罠を突破するのにも使います。有事に備えて忍ばせておきましょう。
・ブラックローズ ☆7
ガイザー同様、泰阿で出します。こちらはシンクロ召喚成功時に自身含めた場のカード全てを破壊する効果を持ちます。
後述のブラッドローズとセットでの採用です。全体除去もガイザー同様に出番があるかもしれないので、1枚の採用です。
・ショウフク ☆8
絶賛高騰中のシンクロです。シンクロ召喚成功時、素材になった幻竜1体につき場のカードを1枚対象に取りデッキに戻す効果、起動効果で自分の場のカード1枚と墓地の☆4以下のモンスターの対象に、場のカードを破壊し墓地のモンスターを蘇生する効果を持ちます。
先手後手問わず盤面をひっくりかえすのに使います。場と墓地のカードを入れ替えて次の展開に繋げる効果をそこそこ使うので、相剣を組むならば必須となるカードです。私は盤面捲るのに1回使えればいいかな、と感じたので1枚です。余裕がある方は2枚入れてもいいでしょう。
・Ω ☆8
制限カードの☆8シンクロ。相手のスタンバイ時に除外されてるカード1枚を墓地に戻す効果、お互いのメインフェイズ時に自身と相手の手札1枚とを次の自分スタンバイまで除外する効果、墓地にある時自身と墓地のカード1枚を対象にデッキに戻る効果があります。
どれもそこそこに効果が使えます。しかし、先攻では主にセキショウ、後攻ならショウフクのシンクロが優先されるので、あくまで汎用の☆8自由枠です。ガンマの採用を考えるなら必須になる……かもしれません。
・龍鬼神 ☆8
相手のモンスター効果が発動した時そのモンスターを除外する効果、戦闘で相手を破壊した時そのモンスターのATKを自身に上乗せして追加攻撃できる効果を持ちます。
アシュナの幻竜縛りが入った際に出すアタッカーです。先攻の上振れ手札でも出すかもしれません。
仮にスキドレを受けた際に出せる純粋な3000打点としての運用もありますので入れておいてもいいでしょう。自由枠です。
・クリムゾンブレーダー ☆8
さいまじ通称:対征竜決戦兵器。戦闘で相手モンスターを破壊すると次の相手ターン中、☆5以上のモンスターの召喚・特殊召喚を封じる効果を持ちます。
ミラー戦において一番重要(?)になるカードです。間違いなく相手はこれの処理に回ってくるので、ショウフクやセキショウの効果の通りもよくなることでしょう。
対環境で見ると電脳や相剣そのものにブッ刺さる効果です。入れておいて損はないでしょう。
・仙々 ☆9
泰阿で調整して出せる枠です。場にいる限り、場から墓地に送られるカードが除外される疑似マクロコスモスともいえる効果を持ちます。
ここも自由枠です。先攻で出せればいいなの枠なので色々入れ替えてみましょう。
・ブラッドローズ ☆10
シンクロ召喚成功時にお互いの墓地のカードを除外する効果、場のカードを破壊する効果が発動した時自身をリリースしてその効果を無効にしブラックローズをEXから特殊召喚する効果を持ちます。
私は墓地メタ兼破壊効果牽制に入れてます。ブラックとセットでもあります。ショウエイのバフ・デバフ効果の補助にも。自由枠になります。
・バロネス ☆10
新たなるドラグーン。場にいる限り1度だけあらゆる効果の発動を無効にし破壊、起動効果で場のカード1枚を破壊する効果、お互いのスタンバイ時に墓地の☆9以下のモンスターを対象に取り自身をデッキに戻してそのモンスターを特殊召喚する効果を持ちます。
龍淵で出す筆頭のカードです。初動龍淵から入るとのちのちの手札誘発やニビルのケアにも使えます。入れ替わり効果も相剣にはマッチしており、出し直して発動無効を再び構えたりと何でもアリです。
絶賛高騰中のカードの1枚なので、購入には慎重になりたいところ。相剣を環境で使うなら間違いなく使うので、お財布を軽くする覚悟を決めてください。
(以下リンク)
・天威の拳僧 リンク1
天威1体で出せるバニラ体です。天威展開を行う際に必ず2枚使うので2枚です。天威型ではない場合は自由枠です。
・龍仙女 リンク2
幻竜2体で出せるリンク2です。手札を1枚捨てて墓地の幻竜を蘇生する効果を持ちます。ただし効果を使うとEXから出したモンスターは天威でない限り効果を発動できなくなります。
出すことは少ないかもしれませんが、拳僧2体から出せて、龍鬼神等を蘇生できるので入れておいていいと思います。拳僧同様天威型でない限り自由枠です。
〇入れた方が良いカード
・原始生命態ニビル
高いので私は持ってないカード。大会などに出るなら抹殺で弾く用でみんなは入れようね、お兄さんとの約束ですよ。
――以上がデッキレシピと軽い採用理由等の解説でした。荒々しくて申し訳ありません。
次は展開紹介です。相剣だけの動きと天威を織り交ぜた際の両方を軽く解説します。
展開紹介
それではやっていきます。展開解説中、モンスター名はカナ表記にするのでなにとぞ。
パターン1:バクヤ+手札コストのみ
1.バクヤを召喚し、効果を発動。手札の相剣もしくは幻竜1枚を見せトークン生成
2.バクヤ+トークンでセキショウSS。セキショウチェーン1→バクチェーン2で効果を発動、1ドローののち暗転(他相剣でも可)
展開結果:場にセキショウ1体、ドローカードと暗転(2面除去)
パターン2:バクヤ+リュウエン+手札コスト
1.バクヤ召喚、効果で手札コストを見せトークン生成
2.バクヤ+トークンでセキショウSS。パターン1同様にチェーンを組んで効果を発動、暗転をサーチ
3.セキショウ効果発動、バクヤのコストを捨てて特殊召喚しながらトークン生成
4.セキショウ+トークンでバロネスSS。セキショウ効果で1200バーン
展開結果:場にセキショウ1体+バロネス1体、ドローカードと暗転、バーンダメージ
また、パターン2のコストがタイアで更なる展開を試みるなら
・4までは同じ展開。ただしサーチを相剣門に
・相剣門でタイアを蘇生し、タイア効果で相剣門を除外しトークン生成
・除外された相剣門効果でタイアのレベルを+1し、5+4で仙々
ということも可能です。パターン2の結果に比べ、2面除去を失くした代わりに疑似マクロを張ります。この辺は好みが出ると思うので参考程度に。
次に、天威が絡んだ場合です。
パターン3:バクヤ+アシュナ
1.アシュナを自身の効果で特殊召喚し、拳僧をLS
2.アシュナの墓地効果でアーダラをデッキから特殊召喚し、アーダラでまた拳僧をLS
3.墓地のアーダラ効果で除外のアシュナを回収
4.――以下パターン1の1.から同じ
展開結果:パターン1の盤面に拳僧が2体追加
となります。
これの利点は暗転のコストを確保できる点です。パターン1ではコストにセキショウを使うため返しのターンでの倒しきることが打点的に難しくなるのですが、これなら手札を無駄に消費せず暗転のコストを用意できます。
パターン2にも同様にアシュナを絡める場合、
・リュウエンのコストを回収したアシュナにできるため手札が減りにくい
これが利点になります。ただし幻竜SSの縛りがつくためバロネスではなくショウエイを建てることになりますが、セキショウと合わせて効果無効+除外効果を構えるのも中々に強力です。手札や相手に応じて展開を切り替えられるといいですね。
――後攻で展開する際について。
見ての通り基本はバクヤに召喚権を使うので、そこを狙われると厳しいです。またセキショウのシンクロ召喚を神罠で無効にされるとセキショウのサーチは当然バクヤのドローもできないので、伏せや無効札が見えている場合慎重に踏みにいかないといけません(シンクロ召喚が失敗しシンクロ素材になった情報が発生しないため)。
白エクレシアのデッキから相剣を特殊召喚する効果でうまく妨害を釣り、そこから展開するのが理想です。
その手数を補うための天威採用であり、相手の場の処理として、アシュナ効果でヴィシュダをSSして墓地に送り、その後ヴィシュダの墓地効果で邪魔なカードを処理していきます。
手数が増えればその分先攻の展開が安定し、後攻からでも捲れる希望を抱けるので、それを考慮した天威型です。
私的に派生を考えるなら、
・天威の枠に金満で謙虚な壺を入れ欲しいカードを手札に加えやすくしたり
・罠を増やして罠型コードトーカーのようにしてしまったりする
のもアリかなと考えています。
個人的には後者を推します。ミラーになった際に神罠でしっかりとセキショウを潰し、ショウフクの除去を使わせられる・止められる等の利点が見受けられるので。
この辺りは環境次第で型を変えていければいいかな、と思います。
――では、薄い内容ではありましたがまとめに入ります
最後に
天威相剣、いかがでしたでしょうか――拙い解説で申し訳ありません。
対応力が高く、天威要素のおかげでトークンコレクターのメタも乗り越えられる点は◎で、非常に安定感があります。効果・展開共に分かりやすく、動かしやすさも魅力です。
環境に食い込むデッキであるため相剣の光もの(主に莫邪)や白エクレシアが少々お値段がするものの、長く使い続けられそうなデッキだな、と私は感じました。ストーリー新規のテーマであるため今後新規が確定しており、将来性も感じさせます。
もし組むかどうか気になっているなら、それの後押しになれば幸いです。完成度の高いデッキですので、後悔させないことでしょう。みなさんも相剣、してみませんか?
……以上で、記事を終わりとさせていただきます。執筆者、さいまじでした。
それではまたいつかお会いしましょう。おつかれさまでした。